ユーディーエムテック、VR SCADA実現「目前」毎日日報 2017年9月24日
現地のスマート工場の工程をVR SCADAシステムで再現する様子。写真=ユーディーエムテック提供
【毎日日報 ナ・ギホ記者】12年目を迎え、国内外の製造現場で高度化されたスマート工場を普及させているユーディーエムテックは、工程状況を仮想現実で分析・制御まで可能な「VRスカダ(SCADA)」を発表する予定だ。
ユーディーエムテックは2006年、ワン・ジナムアジュ大学教授が創業したベンチャー企業である。ワン代表は25名のR&D専門人材とともに開発した製造ソリューション製品「UDMソリューション」と、サイバーフィジカルシステム(CPS:Cyber Physical System)で構成されたスマート工場デモ「PLCスタジオ(Studio)」および「オプトラ(OPTRA)」を備えている。
関連業界によると、PLC制御検証ソリューションでデジタル工場を実現している企業は、世界でわずか3社、ドイツのシーメンス、フランスのダッソー、そして韓国のユーディーエムテックのみと知られている。
ユーディーエムテックの技術が集約されたUDMスマートSCADA統合ソリューションは、高性能大型ディスプレイにUDMソリューショントラッカー(Solution Tracker)を搭載した自動化設備・工程分析システムである。時間当たり生産量やエラー率など現在の工程状況を表示し、制御が可能であることが特徴だ。
現地のスマート工場の工程をVR SCADAシステムで再現する様子。写真=ユーディーエムテック提供
ユーディーエムテックのソリューションは大きく4つに分かれる。製品設計前に仮想製作・事前検証が可能な「DPS」、スマート工場構築過程の設計標準化を実現する「I/Oメーカー(Maker)」、制御システムを考慮した仮想試運転に使用される「PLCスタジオ(Studio)」、スマート工場構築後の工程異常有無の確認・改善に関するソフトウェア(SW)支援である「オプトラトラッカー(Optra Tracker)」などの技術を持っている。
このようなユーディーエムテックは、来る11月にVRを融合したソリューション、いわゆる「VRスカダ(仮称)」を発表する予定だ。
現在のVRスカダは機器を使用したシミュレーション構築まで可能である。しかしスマート工場のデータ同期が実現すれば、分析・制御まで可能なUDMスマートスカダ統合ソリューションを仮想現実上で直接確認できる。
また、△VRを基盤としたリアルタイム工場状況モニタリング △オペレーター・生産者・管理者向けのVR教育 △デモ工場や代表工場の来訪者向け体験など、さらに進化したスマート工場の普及効果が期待されている。
キム・スンファン ユーディーエムテック3Dチーム主任は、「シミュレーションを基盤としたPLCスタジオはスマート工場のデータを受け取り最適化することに重点を置いている」と述べ、「ユーディーエムテックが発表するVRスカダはこれを実現し、工程が進行している過程自体を2Dから3Dディスプレイで簡単かつ直感的に把握可能にする」と説明した。
ユーディーエムテックの目標は、HILS(Hardware-in-the-Loop)技術が多次元的な特性と情報を作業者に迅速に伝達し、2Dディスプレイ上で表現できない独自のVR基盤CPSソリューションを開発・支援することである。
ワン代表は「需要企業の製品設計、解析、運用技術、加工機器制御機と連携可能なユーディーエムテックのCPSソリューションを通じて、さまざまな業種の製造企業の製品設計・製造能力向上、工程標準化、仮想試運転、異常工程追跡、工程効率改善を支援し、国家製造業の競争力強化に貢献していく」と述べた。
一方、政府はスマート工場の普及・拡大に伴う製造業の復興戦略を策定し、スマート工場認証制度を導入、金融支援を拡大するなど、2025年までにスマート工場3万カ所の普及を政策として掲げている。
これについてワン代表は、スマート工場の需要は増加しているものの、一つの製品として確立するにはまだ多くの試行錯誤が必要だと指摘した。現場にはさまざまな業種が存在し、それぞれの業種ごとに特性、要件、目標成果、生成されるデータログなどが異なるためだという。
続けて彼は、「政府は各業種別工場の運用技術や自動化技術情報を収集し、標準推奨案の提示を通じて生成データの標準化と定量的成果を具体的に示す必要がある」と述べ、「これを基に、多様なスマート工場ソリューション提供者は明確な目標成果と標準化されたデータを通じて、業種別ライブラリの構築が可能となり、蓄積されたデータは業種の特性と需要を反映したひとつのスマート工場導入モデルへと成長するだろう」と強調した。
ナ・ギホ記者 nakh@m-i.kr